Sony Global Solutions Inc.
ソニーグローバルソリューションズ株式会社
前職ではソフトウェア開発企業にてサプライチェーンマネジメントやEコマース製品を含むERPパッケージの開発や保守を担当。「上流工程に携わり、その成果を見届けたい」という想いからソニーグローバルソリューションズに転職。現在は半導体領域のグローバルプロジェクトにて要件定義やユーザーサポートなど幅広く担当。
私は現在、Application Capability 2部門 SaaS Solution部 SCM Solution課に所属しています。私たちの課は、サプライチェーンやサブスクリプション型プラットフォームの構築、システムの保守やエンハンスなどを担っており、19名のメンバーが在籍しています。
現在携わっているのは、半導体領域のSCM・経営企画管理・会計領域システム移管プロジェクトで、中でも私は出荷・物流領域のシステムを担当しています。要件定義や設計のレビュー、協力会社の管理、テストサポートなどを担っています。
主なお客様は、グループ企業のソニーセミコンダクタソリューションズ(以下、SSS)です。現在はUAT(ユーザー受け入れテスト)フェーズで、UATのサポートを行いながら、ほかの機能に関する要件定義も並行して進めています。
システムの要件定義や改善には、実際の業務フローや作業環境の深い理解が欠かせません。現地で膝を突き合わせてコミュニケーションすべきというのがプロジェクトの基本方針でもあるため、現場に足を運ぶ機会が多く、週の半分は倉庫を管理する九州の事業所や半導体の製造拠点を訪問しています。
現場のオペレーションを観察したり、担当者へヒアリングを行ったり。とくにSSSのユーザーの調整役を務める福岡の拠点の方々とは、密に連携を取りながらプロジェクトを進めています。
アジアや北米を含むグローバルでのカットオーバーは2025年5月。タイ、台湾、香港といった海外拠点や、北米の販売会社の輸入システムの同時稼働も進行中です。今後、UATの第2フェーズやユーザートレーニング、移行リハーサルなどを順次進めていく想定です。
方針決定のために現地とは頻繁にやり取りを行っており、業務フローを把握するためにタイへの出張も経験しました。再来週には北米への出張も予定しています。
本プロジェクトは、出荷・物流領域のシステムだけでも、社内の他部署のメンバーや協力会社のスタッフ、外部コンサルタントなど、総勢30名以上が参加する大規模なプロジェクトです。上流工程を担う私が大切にしていることは、全員と認識をあわせながら取り組むこと。
関わる人数が多く、認識の齟齬や問題意識のズレが生じると、プロジェクトが思わぬ方向に進んでしまうこともあります。そのため、イメージを可視化したり、議論した内容を記録に残すなど、細部にまで配慮しながら進めてきました。
また、物事の本質を捉えることも重視している点です。断片的な情報しかないようなときでも、憶測で判断せず、事実を正確に捉えるよう努めています。
そのためには、適切に情報を集め、最終判断を誤らないことが大切です。多くの方々に事実を確認し、プロジェクトのキーパーソンと密にコミュニケーションを取るよう心がけています。
前職のソフトウェア開発企業では、SCMやEコマース製品を含むERPパッケージの開発や保守に携わりました。基本・詳細設計から、実装、ユーザー対応まで幅広く経験することで、ユーザーが本当に求めていることは何か、それを実現するために必要な機能はどうあるべきかを徹底的に考える習慣が身についたと思います。
技術者としてキャリアを築く中で、当時の私が関心を持っていたのは、システムをどうつくるかではなく、なぜそのシステムが必要で、それがどのような問題を解決できるのかです。しかし、前職ではユーザーと接する機会が少なく、『これが本当に意味のある開発なのだろうか』と感じることが時折ありました。
そしてキャリア10年目の節目に出会ったのが、ソニーグローバルソリューションズ(以下、SGS)でした。SGSの選考では、面接官だったいまの上長からプロジェクト内容を詳しく聞き、まさに自分がやりたいと思っていたことができると感じたのを覚えています。また、当社がグローバルに幅広い事業を展開している点にも大きな可能性を感じ、入社を決めました。
入社後にまず取り組んだのは、エレクトロニクス領域の案件でした。海外の事業所ごとに異なる仕組みが導入されていたオーダーマネジメントシステムを統合するプロジェクトで、私は出荷や輸出関連の機能を担当し、要件定義や設計のレビュー、協力会社の管理のほか、テスト時の周辺システムとの連携調整などを担当しました。
ソニーグループが多様な事業を展開していることは理解していたつもりでしたが、想像以上に大規模だったことが印象的でしたね。取引先マスター管理や品目管理といったプロジェクト関連のシステムに加え、関連会社の略称やグループ特有の用語、さらには商物流など、学ぶべきことが多く、毎日1時間ほど先輩に時間をいただいていたのを思い出します。
また、システム保守を担当するメンバーなど、コミュニケーションを取る相手の数も前職とは桁違いで、それぞれと認識を合わせるのにも苦労しました。
大変なこともありますが、多くの人と関わりながら、必要な事項を整理してシステムに落とし込み、標準化していくという同じ目標を共有する中で、自分の役割が果たせていることを実感しました。想像していた通り、ダイナミックなスケールのビジネスに関わることができていて、転職して良かったと感じましたね。
3年ほどエレクトロニクス領域のプロジェクトに取り組んだ後、現在携わっている半導体領域のプロジェクトに異動しました。エレクトロニクスと半導体では領域がまったく異なりますが、輸出・出荷に関する業務プロセスの全体像やシステム理解が大いに役立ってきました。品質・コスト・納期を意識したタスクの遂行と管理など、前プロジェクトでは経験できなかった役割も担うことができていて、非常に充実しています。
SGSで働く魅力は、社員に大きな裁量権があり、新しい挑戦をしやすい環境であることです。
たとえば最近、機能開発の進捗が思わしくない状況で、目標達成を妨げる可能性のある課題が浮上していました。私の北米への出張が認められたのは、この課題について上長にエスカレーションし、現地対応の必要性を説明した結果、それが受け入れられたからです。社員の考えや意見を尊重する風土が当社に根づいていることを、あらためて実感しました。
一方で、ユーザーとの距離感が近いSGSだからこその学びもあります。現在の私の役割は、システムの仕様について詳細に話し合い、ユーザーが実現したいことを的確かつスピーディーにシステムに反映させること。ユーザーとは使用する言葉も文化も異なるため、そのギャップを理解し、正確に翻訳する作業が求められます。
前職では、お互いの業務を把握できる環境だったため、相手の立場になってわかりやすく説明するスキルが身につきました。
さらに、前職ではパッケージシステムを開発していたため、使用できる技術に制約がありましたが、当社では多種多様なシステムが稼働しています。最新技術を取り入れることに非常に前向きで、さまざまな技術に触れられることは、技術者にとって大きな喜びです。
ソニーグループは世界的な大企業でありながら、ユーザーの業務内容について直接ヒアリングしたり、生産拠点や倉庫のオペレーション現場に足を運んだりと、ユーザーの業務を身近に感じられる環境があります。手触り感のある仕事ができることは、大きな責任の伴うことであるとともに大きなやりがいです。
また、出荷データを見ると取引規模の大きさを実感します。ダイナミックなビジネスをダイレクトに感じられる点も、当社だからこその醍醐味です。
直近の目標としては、まずは出荷領域を極めたいと考えています。そして自分のスキルの幅をさらに広げ、プロジェクトを推進し、チームをリードしながら進むべき道を示せるような存在になりたいと思っています。
将来的には、エレクトロニクスや半導体以外の事業領域も経験してみたいです。海外拠点で自分の力を試してみたいという気持ちもありますね。
当社は事業展開のスピードが非常に速く、それにともなってIT業務も変化に富んでいます。ビジネスの方向転換に応じてスケジュールが変更になることも多いので、柔軟に対応できる方が当社には向いているかもしれません。
ビジネスユニットやマーケティングユニットなどのユーザーサイドでシステムを担当してきた方々をはじめ、当社には多様なバックグラウンドを持つメンバーが在籍しています。困ったことがあっても社内に必ず詳しい人がいるというのがSGSの強み。互いに刺激を与え合いながら成長していける方と一緒に働けることを楽しみにしています。
※記載内容は2024年11月時点のものです